うねめの史実をたどる

うねめの史実をたどる

春姫の愛は安積の里で花となり、
伝説は夏を彩る祭と交流をもたらしました。

 約千三百年前、安積の里(郡山市)は朝廷への貢物ができないほどの冷害が続いたため、奈良の都から巡察使葛城王が訪れました。その夜の宴で里長の娘・春姫は、機嫌の悪かった王を心からもてなし、歌を献上しました

安積山影さえ見ゆる
山の井の浅き心を我が思わなくに

 王は大変喜び、凶作の危機を救う条件として、春姫を帝の世話をする女官“采女”として献上するよういいました。
 都に上がった春姫は、帝の蘢愛を受けてはいたものの、安積の里に残した許婚の次郎を忘れられず、猿沢の池畔の柳に衣をかけ入水を装い、里へと向かいました。しかし、たどりついた春姫を待っていたのは、次郎の死でした。春姫はあとを追って次郎と同じ山の井の清水に身を投じました。
 やがて春が訪れると、清水のまわり一面に名も知れぬ薄紫の美しい可憐な花、安積の花かつみが咲き乱れていたそうです。これが郡山に伝わる采女伝説で、郡山の夏を彩る“うねめまつり”はこの伝説が受け継がれています。

奈良の采女伝説

 実はこの采女伝説が縁で姉妹都市となった奈良では、ちょっとストーリーが違ってきます。
 帝に寵愛されていた采女でしたが、いつしか帝は心変わりをし、嘆いた采女は猿沢池に身を投げ命を絶った、と伝えられ、中秋の名月の日に、采女の霊を祀るため猿沢池にて“采女祭”が開かれています。

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